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【第3回】ジクー day はダッシュでお掃除!?清掃解除端末開発秘話〜爆走!群馬400メートルダッシュ――「清掃解除端末」に込められた血と汗と、一滴の涙〜

著者:荻野 正之介

目次

伝説の「ジクー day」

当時の自遊空間では「19日」。

それは現場スタッフが、前日から膝の屈伸運動を始めるほど恐れる「ジクー day(席料半額)」である。

空席待ちの列は伸び、店内はさながら戦場。

店長の「休憩中も応援に来てね(=休憩はないものと思え)」という無慈悲な号令が飛ぶ中、我々調査チームは現場に立っていた。

物理の限界へ:ダスター2倍、速度は2倍

ベテラン店長から授かった秘伝の奥義は、驚くほどアナログだった。

店長

道具を2倍持て。さすれば掃除は2倍速くなる

我々は教えに従い、両手に溢れんばかりのダスターとアルコール、腰には2倍のゴミ袋を装備。

群馬の大型店舗を戦場に選んだ。

結果は劇的だった。確かに清掃は早くなった。

しかし、我々は決定的な「店舗の広さ」という物理法則を忘れていたのである。

無慈悲な「追いダッシュ」

124番ブースを仕上げ、さらに離れたカラオケ8番ルームを壊滅(清掃)させて意気揚々とカウンターへ帰還。

その距離、片道およそ200メートル。

ところが、カウンターのモニターに映し出されたのは、
今しがた掃除を終えたブースの「すぐ隣」が清掃待ちになったという無情なサイン。

荻野正之介

いま、……そこ通ってきたばかりじゃん……

膝から崩れ落ちそうになる我々に、バイトスタッフが眩しすぎる笑顔で追い打ちをかける。

スタッフ

次、126番お願いしまーす!頑張ってくださいっ!

往復400メートルの無益なマラソン。

やっと戻れば「飲食オーダー入りましたぁ!」というキラキラした声。
我々のライフはもうゼロだ。

「文明の利器」は、筋肉痛から生まれた
ホテルへ這い戻り、湿布を貼りながら確信した。

カウンターに戻らないと状況がわからないという仕組み自体が、人類には早すぎる苦行なのだと。

荻野正之介

現場で清掃完了を入力でき、次のタスクが見える。
そんな魔法の杖があれば、従業員の足の裏の皮は守られ、お客様の待ち時間も減るはずだ

この「無限ダッシュループ」という名の地獄から脱却するために開発されたのが、現在の『清掃解除端末』である。

今、スタッフがスマートに端末を操作する姿を見るたび、我々は思い出す。

あの群馬の空の下、ダスターを両手に握りしめて全力疾走した、あの19日のことを――。

教訓:知恵のない努力は「往復400メートルの絶望」を生み、現場の悲鳴は「テクノロジー」を生む。

次回

第4回 毎月2000万円売らないと半年で会社つぶれるからな!?150台のパソコン通信を快適にせよ!

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